基本的に、どんな業種にも当てはまると思います。
しかし、妻の経営者としての力量が未熟なのに、いきなり大きな規模の会社に入るのは難しいと思います。
業種関係なく、会社の規模と妻の経営者としての力量に開きがないことが重要かと思います。
そういう意味では、業種関係なく、最初は10人前後の会社から夫婦経営を始めるのがベストだと思います。
特に、以下のような元々、夫婦で経営することが多い業種では効果を発揮しやすいと思います。
・歯科、医科、獣医、調剤薬局、介護事業所
・整体、整骨院
・美容院、理容院
・税理士、会計士、弁護士、設計士、社会保険労務士、司法書士、などの士業
・経営コンサルタント
・飲食店全般
・リフォーム、建築業
・不動産業
・自動車修理・整備工場
・学習塾、スクールビジネス
また、業種関係なく、以下のような会社には夫婦経営は適さないかと思われます。
・安さで勝負する会社
・便利さで勝負する会社
・スケールメリットで勝負する会社
・規模拡大を至上命題とする会社
・上場することが目標の会社
・売上目標、予算、ノルマでガチガチの会社
逆に、夫婦経営に適しているのは規模関係なく、以下のような会社になるかと思われます。
・価値提供型の会社
・目先の売上より、顧客との信頼を重視する会社
・規模よりも、その質を重視する会社
・売上目標、予算、ノルマではなく、顧客満足度を重視する会社
これは上の質問とも関連しますが、会社の成長と共に、妻の経営者としての力量が伸びていれば、売上10億、従業員数100人程度までは夫婦経営で十分に行けるのではないかと思います。
ただ、夫婦経営は会社の規模拡大を求める経営スタイルにはあまり向かないと思います。
規模や売上の拡大には、ある一定段階で自ら歯止めをかけ、提供している商品やサービスの質や長期安定性を求める会社に向いているかと思います。
もちろん、社員から育てば、それでもいいと思います。
しかし、右腕として育つ可能性を感じられる人がいない場合はどうでしょうか?
既に中小企業として、従業員が50人でもいれば、右腕になってくれるような人がいるでしょう。
しかし、その規模に到達するまでは、じゃあ、どうするのか?
いや、むしろ、そこに到達するまでが一番、難しいのです。
従業員10人前後の、一番、会社として不安定な時期に、自分を右腕として支えてくれる人がいるかどうかが、従業員50人規模の会社へと成長できるかどうかに大きく関わってくるのです。
そして、有能な社員がほとんどいない従業員10人前後の段階で最も経営者の右腕になれる可能性が高いのが経営者の妻だということです。
私は結婚前から夫婦で一緒に起業することを決めていました。
そのために、結婚前から妻を育てていました。
そこまでやっていることを知ると、多くの方が「どうして、岩渕さんは夫婦経営しようと思ったんですか?」と質問されます。
一つは、私の両親が夫婦で一緒に経営しておらず、それが原因で夫婦喧嘩をしているのを見ていたからです。また、それも原因で父親の会社は上手く行かず、家庭にも悪影響が及んでいました。それを見て、「自分は絶対、こうならない!」と決めていたのです。
二つ目は、多くのクライアントで夫婦で一緒に経営しているほうが従業員の定着率も高く、取り組みの実践度合いも高かったからです。経営者がやりきれてないこと、伝えきれてないことを妻がフォローすることで、いかに組織が円滑に回っていくのかをコンサルティングを通して肌で実感していたからこそ、夫婦経営することに一切に迷いがなかったです。
「妻が仕事に協力してくれない」というのは、恐らく、妻が会社に入ってないということなので「夫婦経営4つのステージ」でいうと「ステージ0:妻が全く、会社に関わっておらず、夫婦別々の人生を歩んでいる状態」だと思われます。
この状態で、無理やり、妻に仕事を手伝ってもらうと、逆効果です。
いやいや、仕事をしているので夫婦喧嘩が絶えません。
周りの従業員にも悪影響が大きいです。
この状態で悩んでいる夫はかなり多いのが現状です。
また、子供がいると、更に事態はやっかいです。
「子供がいるからできない」「子供を犠牲にしてまでやりたくない」など、様々なできない理由が出てきてしまうからです。
この状態を打開するためには、「夫婦のミゾ解消法」と「夫婦価値観再構築法」を実践することが重要になります。もしかしたら、1年以上、時間がかかるかもしれませんが、二人のミゾを解消し、価値観を1つにする作業をしていくことが重要になります。
また、根本的な問題としては「人手が足りないから手伝ってくれ」というようなスタンスだと、妻としても拒否反応を示す傾向にあります。
「人手が足りないからって、どういうこと?そもそも、私は起業に反対だったのに!」
となりやすいのです。
そうではなく、根本的にこれから何を目指すのか、また、どういう役割で会社に入ってほしいのか?
いつまで、会社に入ってほしいのか?子育てとの両立はどのようにしていくのか?
など、少なくとも5年間ぐらいの長期的な計画を立て、二人でしっかりと話し合うことから始めることが重要です。
そして、この5年後の中長期的な計画を立てることこそが「夫婦設計図を作ること」なのです。
これは上の質問とも関連しますが、会社の成長と共に、妻の経営者としての力量が伸びていれば、売上10億、従業員数100人程度までは夫婦経営で十分に行けるのではないかと思います。
ただ、夫婦経営は会社の規模拡大を求める経営スタイルにはあまり向かないと思います。
規模や売上の拡大には、ある一定段階で自ら歯止めをかけ、提供している商品やサービスの質や長期安定性を求める会社に向いているかと思います。
「妻が会社に入ると社員は嫌がりませんか?」
と聞かれることがよくあります。
嫌がるパターンは2つあります。
1つ目は「奥さんは好きなときにやってきて、好きなことを言って帰る」パターンです。
これをやられると、従業員としては嫌がります。
普段はいないのに、自分の好きなときに顔を出して、手伝ってくれるわけでもなく、「あれができてない、これができてない」とダメ出しばかりされたら、誰だって嫌になります。
ですから、「夫婦経営4つのステージ」の「ステージ1:妻と一緒に仕事をしているが、妻は仕事の手伝い、もしくは従業員的な意識で働いてる状態」で次のステージに上がるためには徹底的に現場に入ることが重要になるのです。
「徹底的って、どれくらい?」というと、「誰よりも現場の業務ができるぐらい」です。
ですから、最低2年、できれば3年は誰よりも多くの時間、現場で仕事をするぐらいやることが重要なのです。
この段階をすっ飛ばして、先に進もうとすると「好きなときだけ顔を出して好きなことを言って帰る」というパターンにはまってしまうのです。
2つ目は「既に会社がある程度、軌道に乗っていて、後から経営者の妻が現場に入る」パターンです。
これは従業員としても嫌がるし、妻としても嫌がられてる従業員の中に入らなければいけないので大変です。
しかし、だからといって、現場に入らなければパターン1の「好きなときに顔を出して・・・」に逆戻りです。
だからこそ、ここは従業員が嫌がろうと、嫌がらせをされようと、いじめられようと、耐えて誰よりも多くの仕事量をこなし、誰よりも現場の業務ができるようになることが重要なのです。
中小企業においては「良いことを言う人」よりも「仕事ができる人」でなければ、周りからの信頼を勝ち取ることはできません。現場の従業員は「社長の奥さんだから」と言うことは聞いてくれるかもしれませんが、信頼してくれてるわけではありません。
信頼されるためには、やはり、誰よりも現場の業務ができるぐらいまでのレベルになることが重要なのです。
経営者の妻が会社に入ってくれない理由で多いのが「子供がかわいそう」というものです。
確かに、妻が会社に入ることで、以前より、子供と一緒にいられる時間は減るかも知れません。
しかし、それがイコール「かわいそう」かというと、私はそう思いません。
本当にかわいそうなのは「両親の仲が悪いこと」「両親が離婚してしまうこと」ではないでしょうか。
「夫婦経営とは?」で紹介したように、「妻の仕事への理解度・協力度」は夫の幸福度に大きく影響します。
そして、経営者の妻の仕事への理解度・協力度は会社へのかかわり方に比例するのです。
経営者の妻は夫が経営者になった時点で経営者なのです。
それを「私は反対だった」とか「私は知らない」「家庭には仕事を持ち込まないで」「家庭には迷惑かけないでね」というのはサラリーマンの妻感覚なのではないでしょうか。
経営者はサッカーW杯なんかよりも、100万倍、絶対に負けられない戦いをしているのです。
その戦いに負けたら、「犠牲になる」も何も、その家庭そのものがなくなってしまうのです。
最近は、よくプロ野球選手の妻がTVでも紹介されますが、プロ野球選手は最悪、引退すればいいのです。
しかし、経営者は最悪、自己破産、一家離散なのです。
そんな戦いをしている夫への理解と協力は全力でやってあげる必要があるのではないでしょうか。
また、必要なときに、その理解と協力をしてあげなければ、遠からず、夫の心は離れて言ってしまうのではないかと思います。
確かに、これはキツイですね。
子育てもしながら、経営者としての役割も果たさなければいけない。
これは相当、辛いと思います。
しかし、「夫婦経営のコツ」で紹介している「夫婦経営4つのステージ」によっても、状況は違います。
「ステージ4::妻が現場から離れ、管理などの経営者業務にシフトし、家庭とのバランスを取っている状態」では、夫はしっかりと子育てにも関わっていく必要があると思います。
ですが、ステージ4に到達するまでは、子育ても大事なんですが、会社の組織体制を作って、妻が会社を抜けても大丈夫な状態にすることを優先するべきだと思います。
しかし、そうはいっても、妻にかかる負担は大きいので、それまではご両親やシッターさん、託児ルームなど外部の助けを借りる必要があります。これをすればお金はかかります。しかし、お金をかけてでも、負担を減らさなければ妻も潰れてしまいますし、夫も本当に大事な夫婦経営のステージを上がるための取り組みができなくなってしまいます。
じゃあ、ステージ4に上がるまで、夫は全く子育てに関わらなくてもいいのかというと、そうではないと思います。1週間に2時間でもいいので、イクメンタイムを設けて、妻を自由にさせてあげることをオススメします。
そして、ステージ4に上がったら、週1日イクメンができるぐらいを目指してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、私は毎週日曜日はイクメンデーとなっていて、娘と2人きりで朝から晩まで楽しく過ごしています。そして、これは5年以上かけて、それを目指してきたからこそ、実現していることなのです。
親との同居をしている場合、多くが親の会社を継承しているのです。
会社経営をしていなくても、親との同居は何かと大変です。
更に、親から継いだ会社を経営するのは更に大変で、
親との同居をするのはスーパー大変です。
これはあまりに妻がかわいそうです。
親との同居は速やかに止めたほうが良いと思われます。
これは確かに、その通りです。
夫婦成功とは二人で一緒に会社を経営し、会社も成功して、家庭も上手く行く状態です。
会社の成功にはキリがありません。
特に、売上を追求するとゴールがないのです。
ゴールのないマラソンを人は走ることができません。
中小企業は上場してなければ、上場を目指さなければ、規模拡大をしなければいけない理由などないのです。
大切なのは常に規模拡大を目指すことではなく、夫婦が目指す売上規模なりを設定し、それをクリアした段階で家庭とのバランスを取ることなのです。
それを夫婦設計図で決めることが重要なのです。
それを決めずに、いつまでも売上を追求していると、気づいたら家庭はボロボロだったということになってしまうのです。
家庭とのバランスを取る段階。
それが「夫婦経営のコツ」で紹介した「ステージ4:妻が現場から離れ、管理などの経営者業務にシフトし、家庭とのバランスを取っている状態」なのです。
ここでは、ある程度、経営者である夫も仕事をセーブして家庭とのバランスを取ることが重要になります。バランスを取るのは最近、世の中で言われるような「ワーク・ライフ・バランス」的な考えでは経営者は決して、上手く行かないのです。
最初から低い次元でバランスを取るのではなく、会社経営を高い次元に二人で協力して引き上げた上で、その後に、バランスを取るのです。その順番を間違えてはいけません。